ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

保阪正康さん、あなたは間違っています。日本国憲法を読んでください。

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文春オンラインで眞子さんの結婚についてジャーナリストの保阪正康さんが書かれた記事を読んだ。

頭に血が上った。

記事の主旨はこれまでマスコミが何度も繰り返し騒ぎ、何の罪もない若いカップルを批判してきたことと同じである。

小室さん親子は金にルーズである。
このような態度は社会的に許されない。
眞子さんは将来の天皇の姉であり、その配偶者の行状は皇室のイメージに悪影響を与える。
だからこの二人の結婚は許さるべきではない。

しかし「開かれた皇室」とはいえ、皇族には世間一般と同じ自由な恋愛が許されるわけではない。ご降嫁されても天皇のご親戚であり、その配偶者の職業や暮らしのことで皇室のイメージを悪くする事態があってはなるまい。

保阪氏は昭和史研究の大家である。

戦前、戦中の昭和天皇がいかに軍部に、ひいては国民に利用され、追いつめられていったか知悉している方である。昭和天皇は最期まで戦争責任の問題を問われ続け、苦しみながら贖罪の植樹を続けた。

戦後、昭和天皇人間宣言を行い、天皇は「日本国民の総意に基づき」「日本国の象徴」となった。(私は天皇を日本の象徴とは思っていないので、きっと日本国民ではないのだろう)

しかし、皇室典範を読めばわかるが、戦前と同じく、天皇及び皇族には自分の意志で何かを決定したり、実行したりする力は与えられていない。すべてにおいて皇族2人を含む総理大臣や国会議長や最高裁判所長などで構成される皇室会議の承認が必要だ。

さらに言えば、皇族には日本国民なら全員がもっている住民票がない。選挙権も被選挙権もない。パスポートもない(なので眞子さんは小室さんと結婚して一般人になってもパスポート発行まで出国を待たなければならない)。

皇族としての公務を行うことが義務づけられているので職業選択の自由もない。住みたいところに引っ越すこともできない(居住・移転の自由)。皇族の務めである宗教行事を行わなくてはいけないので信教の自由もない。

つまり、皇族制度(=天皇制)は、明らかに日本国憲法の要であるさまざまな「国民の権利」を侵害しているのである。天皇を頂点とする皇族は、日本国の象徴であるのに、日本国民に認められている権利は与えられない。

日本国憲法第二十四条にはこうある。

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

保阪先生ともあろうお方が、この条項を知らないわけがあるまいし、「皇族には世間一般と同じ自由な恋愛が許されるわけではない」などと宣うからには、皇族に生まれたからには、基本的人権を否定されてもしかるべきだと考えられているのだとしか判断のしようがない。

れが、遊びたい盛りの高校生の頃から文句ひとつ言わず粛々と公務をこなしてきた、「皇族の鑑」とも呼ぶべき眞子さんに浴びせる言葉だろうか?

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

あえて形容するなら、これは日本国憲法第十八条に述べられている「奴隷的拘束」であろう。

眞子さんの結婚については秋篠宮が「日本国憲法で保証されている婚姻の自由」という言葉を使って彼女の気持ちを尊重する、と一度だけおっしゃっていたが、それ以外に眞子さんの結婚に関して天皇(皇族)制度と憲法に関連する議論がまったくなされないことに驚きを禁じえない。そして保阪氏のこの発言である。

明日、眞子さんと小室さんが結婚される。

万難を排してこの日を無事に迎える若いお二人の愛と勇気を心から讃え、祝福の言葉を贈りたい。