ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

ジェフの老いらくの恋

今朝のNYタイムズの記事。ゴシップ誌『ナショナル・エンクワイアラー』オーナーでトランプ大統領の朋友であるデヴィド・ペッカー氏の代理人から、Amazonのジェフ・ベゾス氏が、「(ベゾス氏の不倫をスクープした)同誌への情報提供者に関する調査を止めないと不倫写真を公開する」という脅迫を受けた、と公表しました。

 

情報源は不倫相手のニュース・キャスター、ローレン・サンチェスさんの兄弟(トランプ大統領支持を公言)とみられているようで、そもそも不倫報道はトランプ大統領に批判的な(最近はほとんどのメジャー・メディアがそうですが)ワシントン・ポスト紙のオーナーであるベゾス氏への報復であると考えられている模様。

 

他人の恋愛にはさほど興味がないので先月のベゾス氏離婚報道はスルーしていたのですが、この記事を読んで遅ればせながら今回の騒動についてネットで情報を拾い読みしてみました。

 

ベゾスさんは55歳、サンチェスさんは49歳のアラフィフ世代。2人とも長年連れ添った配偶者との間に何人もの子供がいて、仕事に忙殺されながらも努力して家庭生活を維持してきたのだろうということがうかがわれます。

 

そんな2人が出会い、恋に落ちてしまった。

 

世界一のお金持ちだろうが、全米ネットワークのテレビ・スターだろうが、いったん恋をしたら心は中学生と変わりません。読んでいる方が気恥ずかしくなるようなメッセージのやり取りも暴露されてしまいましたが、何をどう非難されようと本人たちは本気なのです。

 

確かにお互いの家庭の当事者たちはたいへん苦しんでいると同情はします。が、地位も名誉もお金も素晴らしい仕事も温かい家庭も、すべてを棒に振っても相手と一緒になりたい、とひたむきに思えるのが人生も下り坂に入ってからの「老いらくの恋」であり、トランプ大統領のような友人や世間にみせびらかすための買春やトロフィー・ワイフとの結婚と比べたらよほど純粋ではないかと私は思います。

 

それで思い出したのが英国のチャールズ皇太子。

 

ベゾス氏と同じくW不倫だったカミラ夫人との会話テープがマスコミによってリークされたのは1992年、チャールズ皇太子が44歳の時でした。

 

この報道をきっかけに皇太子夫妻は別居期間を経て離婚。97年にダイアナ元皇太子妃が非業の死を遂げた後、2005年に2人はやっと結婚します。何と最初に出会ってから35年目のこと、チャールズ皇太子は56歳になっていました。

 

これを純愛と言わず、何と呼べばいいのでしょう?

 

ここ数年、私がとても好きだった人たちが、人生100年時代というのにはあまりにも惜しまれる若さで亡くなっています。 

www.mrs-lowe.com

 

橋本治さんは70歳、『アンソニー世界を喰らう』のアンソニー・ボーディンさんは61歳、バッグで有名なブランド『ケイト・スペード』の創設者ケイト・スペードさんは55歳、『スターウォーズ』のレイア姫のキャリー・フィッシャーさんは60歳で。

 

自死にしろ病死にしろ、まだまだ人生これからという時にこのような素晴らしい才能をもった方々が亡くなってしまうのは、迫りくる老いを前にし、生に対する執着を失ってしまうことが最大の原因なのではないかと思います。死に至らないまでも、50代から60代にかけて、重いうつ病に苦しむ人の数も決して少なくありません。

 

このような老いの脅威に対抗するためには、改めて個々人が生を見つめ直し、生きる喜びを再確認する行程が必要不可欠なのではないかと思います。そして恐らく、その最善の策が「恋」なのではないでしょうか(決して不倫を推奨するわけではありませんが)。

 

その意味で、ベソス氏にしろ、チャールズ皇太子にしろ、人生後半を共に支え合いながら暮らしていけるかけがえのない伴侶を得られたのは、とても幸せなことだと思います。彼らの家族以外の部外者の非難は的外れです。

 

政治的な駆け引きはさておき、ベソス氏にはチャールズ皇太子の先例に倣って、ぜひこの恋を貫いて生の炎を燃やし、これからも世界の歴史に残る仕事を続けてほしいと密かに応援しています。