ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

なぜりんごのお菓子ばかりに物語があるのだろう?

本日のお菓子はタルトレット・ノルマンディー。

 

もともとはタルトのレシピですが、バターたっぷりのパイ生地を切るとほろほろと崩れやすいので、ちょっと面倒ですが最近はタルトレット型に入れて焼くことが多くなりました。

 

このレシピ、カスタードクリームのようにフィリングに火を通す必要がなく生地に流しこんでりんごと一緒に焼いてしまうのでとてもシンプル、素朴なデザートです。フランス北部のノルマンディー地方が発祥の地。

 

ノルマンディーといえば、すぐに第二次世界大戦の勝敗を決した連合軍の上陸作戦を想起します。りんごが名産のフランスの片田舎の地名は、タルトというより、夥しい数の人々の人生を悲劇に変えたこの戦争の記憶とともに残っていくのでしょう。

 

シナモンとレーズンをたっぷり入れたアメリカを代表するお菓子、アップル・パイもまた、食べるたびにドン・マクリーンの名曲『ミス・アメリカン・パイ』を思い出します。

 

"As American as apple pie" (アップルパイと同じくらいアメリカ人的)という言い回しの通りに、Miss American Pieというのは、アップルパイのようなアメリカ人らしいアメリカ女性という意味でしょうか。

 

Bye, bye Miss American Pie
Drove my Chevy to the levee but the levee was dry
And them good ole boys were drinking whiskey and rye
Singin' this'll be the day that I die
This'll be the day that I die

 

いつ聴いても、アコースティックギターのシンプルな演奏に、韻を踏み、暗喩を散りばめた切ない歌詞とメロディーが胸を打ちます。ああ、過ぎ去りし70年代。ジャニス・ジョプリンをまた聴きたくなりました。

 

なぜりんごのお菓子ばかりにこんな切ない物語があるのでしょうか?