ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

澄んだ、濁った、近い、遠い。

アート教室の2回目。前回下絵を描いた印象派の模写に色をつけていく作業を始めました。

 

なかなか思うような色が出せずに悪戦苦闘している私を見て、先生が色の説明をしてくれます。まず、赤、青、黄の三原色。そこに中間色として、緑、オレンジ、紫。これを混ぜると茶と黒になる。

 

ここまでは高校までの美術の知識で何とかなったものの、先生の「ではなぜ最初から緑を使わずにわざわざ黄色と青を混ぜるの?」の質問には答えられず。

 

絵具を並べての先生の説明によると、隣り合った色を混ぜると濁りにくいけれど、離れた色同士を混ぜると濁る。なので、オレンジの絵具をそのまま使うと澄んだ色になるけれど、黄色と赤を混ぜてオレンジを作るとそれより濁った色になるんだそうです。

 

へー。

 

続いては印象派の特徴を説明しろと言われて、

 

・光に焦点をあてた絵を描いた

・黒を使わず、色を重ねることで陰影を表現した

・描画が多く、遠くから見ることで立体的に見える技法を確立した

 

というなんとも生半可な知識で応酬したのですが、そこそこ及第点だったようで、その特徴を私が模写している絵でどう表現するかを詳しく説明してくれました。

 

もう一点、私の絵がシュールに傾く原因の一つが、遠近法がなっていないことを見抜いた先生。波を描くとき、どうしたら近くと遠くを表現できるか絵を描いて教えてくれました。

要するに、波しぶきを上に行くにしたがって幅を狭く、うねりを小さくしていけばいいわけです。それができていないので、私のはイコンの世界になってしまう。

 

うーん、納得。

 

子供の頃にこういう指導を受けていたら、もう少し早く上達できてたかも。

 

というのも、シンガポールのアート教育が素晴らしくて、小学生の娘のアートの教科書にはこういう感じの説明がばんばん出てくるのです。アートに関する予算もかなり大きいし、シンガポール、本気でアートを国策にしている模様。

 

そしてさらに先生が言うには、技術は大事だけれど、一番大事なのは「スタイル」。オリジナルと違うものになってもいいので、模写でも自分のスタイルを表現しなさいと。

 

うーん、難しい。

 

先生にどんなスタイルで描きたいか、と聞かれて「繊細かつ大胆で文人画テイストもちょっとあるスーパーフラット日本画ライクな現代具象画」と答えた私に未来はあるか?

 

2回で終える予定だった模写ですが、あと1回、もう少し頑張って納得いく形での完成をめざします。