ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

かなりがっかりだったティム・バートン版『ダンボ』

大ヒット中(らしい)の映画『ダンボ』を観てきました。

 

感想を一言で表現すると、

 

かなり、がっかり…。

 

ティム・バートンの映画はけっこう好きで『アリス・イン・ワンダーランド』とか『チャーリーとチョコレート工場』とか、子ども向けだとわかっていながらその不条理かつ耽美な世界を堪能すべく、ついつい何度も繰り返し観てしまうのですが、この映画にはそれがほとんどありません。

 

ディズニー映画なので仕方がないとはいえ、『ビートル・ジュース』とか『マーズ・アタック』並みのナンセンスなばかばかしさはまったくありません。

 

最大の原因は、やはりキャスティングがいまいちだということ。ジョニー・ディップ級のアクの強い俳優が出ないと、どうしてもティム・バートンのキッチュ感が出ません。唯一、主人公の少女役のニコ・パーカーがバートン好みの個性的な顔立ちで注目していたのですが、演技力不足で単調な演技しかできていない。

 

衣装やセットはさすがにハリウッド映画だけあってお金かけているのは重々わかりますが、こちらも子どもウケを意識してなのかインパクトに欠けます。度肝を抜かれる感は皆無。

 

そしてダンボ。あまりにもマザコンで意気地なしのチキンです。

 

飛べたときの解放感や爽快感も描き切れておらず、最後まで母象のところに帰ることしか考えていない。ダンボが危害を与えられそうになって怒り狂う母象の演技のほうがリアリティがあり。主人公、いったい誰なのか判別不可能。

 

唯一ともいえる素晴らしいシーンは、出番待ちをするダンボが見る、サーカスのシャボン玉シーン。

 

玉乗りの美女たちが巨大な輪っかを使って作り出すシャボン玉の象たちが音楽に合わせて行進したり踊ったりする幻想的なシーンで、ダンボはもちろん観客もうっとり見入ってしまいます。ティム・バートンの面目躍如といったところ。

 

オリジナルのアニメーションでも「ピンク・エレファント」シーンとして有名なようです。


Disney's Dumbo (2019): Pink Elephants scene

 

ストーリーらしいストーリーがないせいか、小4の娘は飽きないで2時間近くおとなしく観ていましたが、大人にはちょっと物足りない映画だと思います。