ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

社会がどう変化しても、得意なことが一番正しい。

ネットフリックス創業者兼CEOのインタビュー記事を読みました。

diamond.jp

 

とても興味深いのは、ヘイスティングス氏が強力なライバルとされるアマゾンやアップル、ディズニーなどの脅威を意に介してないように見えること。その裏には、とにかく22年間この事業だけに注力してきたという強力な自負が垣間見えます。

 

アマゾンやアップルは他に様々な事業を抱えています。彼らの事業は幅広い。でも、私たちはそんなに手広くやりません。一つの事業に集中しているから、彼らよりも競争力が高いのだと思いますよ。

 

人々が見たいと思うコンテンツを揃える。それをし続ければ、人々は次から次へと私たちのコンテンツを見てくれます。その結果、米国のテレビ視聴時間の10%を取得することができました。

 

このように語るヘイスティング氏には何の迷いもないようにみえます。それは顧客第一に彼らのニーズに応えてきた経験に会社の業績が比例して伸びてきたからでしょう。

 

事業を絶対的有利に導くには、とにかくシェア占有率トップをめざすのがこれまでのマス対象の資本主義の鉄則でした。しかし、パーソナライズド広告の興隆でもわかるように、デジタルテクノロジーの進化によって個人の嗜好はより変化に富み、個人化された、マスとは正反対の方向に加速度的に向かっています。

 

ただしその多様性に富んだパーソナルな嗜好を束ねていけば立派なビジネスになる、そこがNetflix社の得意とするところなんだ、というのがヘイスティングス氏の言いたかったことなのではないでしょうか?

 

例えば上に挙げられた10%の視聴時間という数字ですが、その中には数万、いやひょっとしたら数十万の番組があり、それを観た視聴者はさらに数億人に上るのでしょう。個々の番組に個性があり、それを視聴する個々の人々に個性があるということ。そして、その一つ一つの個性や声を吸い上げてきたことこそがNetflixという会社の成功の源泉なのだと思います。

 

そういう時代だからそうなったのか、もしくはそういう姿勢を貫いていたら市場がついてきたのか、恐らくどちらも正しいのかもしれません。

 

いつの時代もこれだけは変わらず、その会社が得意なことを深化すること、それこそがこれからの社会に求められていく会社の役割なのではないかな、と思います。