ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

いつの間にか海外在住者100人に1人を超えていた日本。

海外在住日本人の最新の統計調査を読んでみました。

www.mofa.go.jp

昨年の8月発表。統計数字は一昨年の10月1日現在。

 

ちょうど1年半前で若干古いですが、数字を読みこんでみるといろいろと興味深い事実が浮かび上がってきました。

 

まず、日本国籍をもつ海外在住者(長期滞在者+永住者)は135万人で、日本人の人口1億2,421万人の約1.1%と、すでに100人に1人以上の日本人が海外に住む時代になっていること。

 

内訳は企業駐在や留学、その家族などの長期滞在者が約2/3で、結婚や現地企業での就職などによる永住権取得済みの永住者が約1/3。

 

居住国は北米が圧倒的に多く全体の37%を占めていて、次にアジアの29%、ヨーロッパの16%、オセアニア9%と続きます。全体的にどこも増えていますが、戦後、移民が推奨された中南米と、アフリカだけは減少。

 

仕事をしていると欧米からアジア方面に企業の駐在国もシフトしている気がするのですが、永住となると、留学も含めてやはり北米はじめ西欧諸国の人気は根強いようで、永住者の国別内訳は米国が40%、オーストラリアが12%、ブラジル10%と3か国で6割を占め、次いでカナダ、イギリス、韓国、ドイツ、アルゼンチン、ニュージーランド、フランスを加えると永住者の8割。アジアは韓国のみのエントリーです。

 

アジアの中でみると中国離れの傾向が顕著で、2015年から17年までの5年間は13万5千人から12万4千人と居住者が1万1千人も減少しました。永住者は若干増えていますが、居住者全体の約2.5%で、3千人ちょっとしかいません。

 

私が住むシンガポールの邦人居住者はずっと増加傾向にありましたが、2017年に政府の外国人受け入れ政策の変更によりマイナスに。この時点で約3万6千人が居住。うち永住者は2,589人(私もここに入っています)。二重国籍を含む永住者の子どももこの中に入っていると思いますので、シンガポールの成人永住者は意外と少ないという印象です(私の知人のシンガポール人と日本人のカップルの大部分に2~3人子どもがいます)。

 

世界全体でみると、日本人海外永住者数は2002年にマイナスになった他は、平成に入ってずっと増え続けています。特に2008年のリーマンショック以降の10年間は平均で3.6%の増加。いっぽう、長期滞在者は2017年に-0.26%と23年ぶりに減少した他、増加率も10年で平均1.5%と頭打ちです

 

この数字の意味するところは、海外に留学や駐在などで長期滞在していた人が現地の人と結婚したり、現地企業に就職して長期間働いて永住化するケースが増えているのではないかと推測しています。

 

他方、日系企業では相変わらず海外拠点が増加しており、2017年までの過去5年間で18%増。7万5千拠点を上回っていて、圧倒的に多いのは中国3万2千拠点。次に米国の8千600拠点ですが、ここ最近はインドとタイの拠点数が激増中

 

中国では拠点数は増加しつつあるにもかかわらず日本人居住者の数は減少していますので、人員の現地化が進んでいるか、もしくは拠点を残しても縮小という会社が増えているのかもしれません

 

平成30年の統計では、日本に居住する外国人の数が264万人と過去最高に。この数は在外日本人の約2倍になります。

 

中国では、トランプ政権以来米国での反中感情が高まったり就労ビザの要件が厳しくなったのに加え、中国の企業や政府機関が米国に流出した優秀な人材を高給で呼び戻すケースが増えて、中国に帰国する若者が激増しているそうです。

www.scmp.com

 

外国人を受け入れを最小限に留め、かつ日本の人口を減らさないためには、以前の日本政府が南米日系人の就労ビザ要件緩和を行ったように、まずは海外に居住する働き盛りの日本人やその子弟を呼び戻す政策を考えることも重要ではないかと思いました。