赤くないアカバナー ~ びっくりするほどたくましい「オレンジフラミンゴ」
沖縄のイメージと言えば、抜けるような青い空とエメラルドグリーンの海、シーサーの載った赤瓦の屋根、そして深紅のハイビスカス。
ハイビスカスは「アカバナー」と呼ばれ、台風などの風除けとして植えられているため、とにかくどこの家の生垣にも畑にも赤い花が咲いています。一年中咲いています。
それほど沖縄ユビキタスなハイビスカスですが、意外といろいろな種類があることはあまり知られていないのではないでしょうか?
「趣味の園芸」によると、ハイビスカスの園芸品種は1万種近くもあるそうです。種類が多いだけあって、色も形もとりどり。ぱっと見にはまったくハイビスカスに見えない品種さえあります。
庭師のTさんに最初に庭のデザインをお願いしたときのこと。Tさんによるとランドスケープデザインの基本として、青や赤など花の色を統一するか、反対に色とりどりの花の咲く木や草を植えるという方法があるそうです。私は後者を選んだため、ここの気候に適して育てやすく、かついろいろな色や形の品種が揃っているハイビスカスをメインの植栽の一つにしました。
その一つがこちら。
俯きがちに踊るように咲くハイビスカス「オレンジフラミンゴ」。
花はけっこう大振りでしかも八重ですが、とにかく丈夫でずっと咲き続けます。通常、品種改良して野生種より花を大きくしてしまうと過保護の子どもように虚弱になり、なかなか大きくならなかったり、花付きが悪くなったりすることが多いのですが、この品種には当てはまらないようです。
本物のフラミンゴのような優雅でピンクがかったオレンジのベースの花と、その先についたひらひらと蝶が舞っているような可憐なもう一つの花と、一輪で二度楽しめるのも嬉しい。
もともと庭に植えられていた赤とピンクのハイビスカスは3㎡程度の高さまで成長しているので、このフラミンゴちゃんもどこまで大きくなるか楽しみです。