ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

いろいろな家族の在り方があっていいよね

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2年ほど前に描いた娘の絵。だいぶ背が伸びて長くなりましたが今もよく夕飯後にソファで寝付いてしまいます。

最近、ある友人から、共通の友人の近況を聞きました。

 

彼女は私と同じ年。5年前に50才でセミリタイアし、現在は前職の役所で契約職員としてパートタイムで働いているそうです。自分のペースで働きながら、ポリテクニック(高専)に通う義理の娘の面倒をみているとのこと。

 

義理の娘というのは、彼女がアラフォーの頃にした結婚で夫が連れてきた連れ子。前妻とは死別していました。当時この娘は母恋しい年齢の小学校低学年で、どこに行くにも友人の後をカモの子どものようにちょこちょこついてきたのをよく覚えています。

 

いっぽう、この子の姉は当時ティーンエイジャー。突然の継母の出現に怒り狂い非行に走ってしまったため、友人はその後始末にも奔走していました。ちょうど仕事も脂が乗りきって忙しい最中、彼女はこの2人の義理の娘の面倒を実によくみていて、友人たちの間で「インスタント・マザーのくせにあんたは偉い!」と賞賛されていたのです。

 

この話にはまだ先があります。その後しばらくして、友人と連れ子たちの親、つまり夫との間がうまくいかなくなりました。そして離婚、夫はほどなく再婚。すっかり友人になついていた下の娘はそのまま友人と暮らし続けます。上の娘はつき合っていた彼とのでき婚で結婚し、そのまま家を出て、今は2人の子供をもつワーキングマザー。

 

そして、友人はまったく血のつながりのないこの2人の連れ子たちの面倒をいまだにみ続けており、下の娘の日々の世話はもちろん、おばあちゃんとして、上の娘の子ども(もう離婚しているので義理の孫になるのかどうかわかりませんが)の学校や習い事の送り迎えや、金銭的な援助もしているそう。義理の娘たちにとって、家族としての関係は血のつながりがあって法律的にも家族である父より、彼女とのほうがよほど濃いと思います。

 

この話をしてくれた友人も私と同い年ですが、いまだもって独身。もちろん子供はいませんが、姉妹の子どもたち、つまり甥っ子や姪っ子をそれはそれは可愛がっているので、彼らもよくなついています。たぶんこれから年取って困ったことがあったら彼らが陰になり日向になり支えてくれるでしょう。

 

かくいう我が家も娘が養子ですので、夫、私、娘と全員血縁はありません。しかも、夫と私は国際結婚で娘はカンボジア生まれですので、民族も違います。言葉さえばらばらで、私は日本語で話しますが、夫は英語で話し、娘は英語と日本語を家では使い分けて話をします(外では英語オンリーですが)。

 

また、常連になっている近所のコーヒーショップで週末にときどき会って話をするアメリカ人女性2人のカップル+中国のいろいろな地方から迎えた養子の思春期ガールズ3人の5人家族も、ごく普通の家族と同じように、幾多の問題を乗り越えながら子育てに励んでいて、彼女たちの話を聞くのをいつも楽しみにしています。

 

ちょっと前までは夫婦に自分たちの子供2人というのが日本でもシンガポールでも「標準的な」家族の姿でしたが、現在ではそれも非常に多様化し、一人暮らし世帯が激増している他、夫婦だけの世帯も珍しくありません。

 

そんな社会の中でも、やはり多くの人は、誰か別の人と暮らして温もりのある家庭をもちたいと思うのが自然の情だと思います。

 

血がつながっていなくても、法律的には関係がなくても、心から家族と呼べるかけがいのない人がいる、というのは何にもまして素敵なことだと私は思います。