ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

夕食は三菜から二菜に。その分手間をかけて。

私の母は専業主婦で父が食道楽だったので、子どもの頃の夜の食卓には自家製のぬか漬けも含めてそこそこの品数の料理がいつも並んでいました。私自身も結婚してからは夕飯には最低三菜を基本にずっと料理を作ってきました。

 

しかし、最近になって夕飯の品数を三菜から二菜に減らしました。

 

理由の一つは、夫も私も加齢によって食が細くなってきたにもかかわらず、三菜にするとどうしても全体の量が増えてしまい、食べ過ぎてしまったり残してしまったりすること。冷凍できるものはしますが、できないものを冷蔵庫に入れたままにして結局は捨ててしまうことが多くなったからです。

 

もう一つの理由は、料理の品数を減らすとその分一つの料理に手間をかけられることに気がついたから。

 

私の場合、毎日の夕飯の支度にあてる時間は1時間程度に決めています。簡単な副菜でもそれなりに調理時間はかかりますので、三品も作ると一つひとつを簡単に済まさざるをえません。反対に一つ減らせばその分残りの二つの料理により多くの手間をかけられるのです。

 

写真の料理は白身魚のミントソースがけ。以前は市販のミントソースを買っていましたがこれは自家製。市場で買ってきた新鮮なミントの葉と搾りたてのライムジュースをブレンダーにかけて作ったので、市販のものと比べて自然でクセのない味に仕上がります。パープルのブロッコリーも買ったときに茹でて冷凍してあったものを解凍。さらに炒めて香ばしく焼き目をつけました。

 

もう一品は豚ひき肉といんげんの炒め物でしたが、湯葉を加えて客家風に。味付けも市販のオイスターソースを使わず、醤油数種類と紹興酒を混ぜ合わせてオリジナルのソースを作ってからめました。

 

プロの料理人の料理と家庭料理の違いは、どれだけ一つひとつの手間を積み上げていくかに尽きます。家庭で家族のためにする料理なので、カフェでお客様に出す料理ほどに手間はかけられませんが、ちょっと手間を増やしただけでも料理に格段に奥行きが出てくるのです。

 

最近は同居の姪っ子がよく友達を連れてくるので、食べ盛りの彼らに夕食を出したりもしています。そういう時はとにかく量が必要。大量の鶏肉の中華風照り焼きを作ったり、タイ風ハンバーグを作ったりして供します。彼らもやはり、ひと手間かけると「おばさんの料理おいしかった」とお世辞を言ってくれたりするので、励みになります。

 

要約すれば、たいしておいしくないものを頑張ってたくさん作るより、選択と集中で少ない品数で手間をかけたほうが効率がいいように思えます。

 

さすがに土井義晴さんの提唱されている一汁一菜の境地にはまだ至っていませんが、当分二菜主義で手間がかかるいろいろな料理に挑戦し、レパートリーを増やしていきたいと思っています。