ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

ラグジュリーなシンガポールライフを満喫するカワウソたち

毎週日曜日の晩、ニュースを観終わってからの夫と私の愉しみは、チャンネル5のサー・デイヴィッド・アテンボローがナレーションを務める1時間のドキュメンタリー番組鑑賞です。

 

サー・アテンボローはイギリスの動植物学者で、世界に名だたる英BBCのドキュメンタリー番組制作をリードしてきた人物。特に虫に対する眼差しはいつも愛に溢れていて、イギリス版養老孟子先生みたいです。

 

さて、そのシリーズで一昨日の日曜日に放映されたのが、「Wild City」というシンガポールの野生動物の生態をフィルムに収めたドキュメンタリー。アフリカ・サバンナに住む動物のサバイバルもアマゾン密林の巨大昆虫も面白いテーマですが、なにせ地元! 2人でテレビの前にくぎ付けになりました。

 

シンガポールはご存じの通り大都会。しかし、国土の5%程度に手つかずの自然(ジャングル)が残っています。

 

夫によるとシンガポール軍が訓練をするジャングルもすごいらしいですが、一般人が入れるところで有名なのは北西部のクランジ・エリア。番組ではここのマングローブ湿地帯に住むカワウソ一家の生活が紹介されます(他にも建設作業地に隣接する木に住むトンビの子どもの巣立ちや、数か月かかってやっと撮影に成功したという南洋工科大学に深夜に現れる絶滅危惧種のアルマジロみたいな動物や、私も見たことがあるモモンガみたいな動物も紹介されたのですが割愛)。

 

カワウソ一家はファミリーで協力しながら平和に暮らしています。エサの魚は豊富で、気候は穏やか。台風も大時化もここにはありません。

 

しかし、時としてワニや野犬などの捕食者から身の危険を守らなければなりません。番組ではカワウソ家族が助け合って危機を回避する様子が紹介されました。しかし、実はカワウソたち、この頃からより良い住環境を求めて密かに移住を始めていたのです。

 

こちらは2年前に植物園Gardens by the Bayで私が撮影したもの。

20頭近いカワウソの群れが大音響をたてて海に向かって水路を移動。

 

先月には、もう一つの植物園Singapore Botanic Gardens(海からはかなり離れています)で、池の魚を3頭のカワウソが食べているところを義妹が目撃。「このままだと魚がいなくなって蚊が増えて困る」と嘆いていました。

 

4年ほど前、シンガポール屈指の高級住宅地セントーサ・コーブ(あのドンキホーテ会長も住んでいます)の大邸宅でカワウソが池の高級錦鯉を食べまくり、ある家では6万Sドル(約480万円)もの被害に遭ったと報道されました。その結果、この界隈の家では泣く泣く池で鯉を飼うのを諦めたそうです。

 

しかし、昨年10月には、やはり同じ住宅地のマンションのプールで優雅に泳ぐカワウソカップルが目撃されます。

www.straitstimes.com

 

そして同月、今度は金融街のオフィスビルで泳ぐカワウソたちがニュースに。

www.channelnewsasia.com

どうしていいかわからず、セキュリティ担当のおじさんたち茫然自失。

 

確かに多くの人が集まる植物園やマンションやオフィス街には天敵がおらず、人間に飼われてまるまる太った魚は豊富。プールや池の水もきれいに整備されています。

 

カワウソたち、ラフジュリアスなシンガポールのシティライフを満喫していて羨ましい…。