ミセス・ロウのシンガポール/石垣島デュアルライフ

50代から二拠点生活。都会&田舎で暮らす。

80年代にタイムスリップ ~ 新宿東口サントリー・ラウンジ・イーグル

一昨日の日曜日、昼過ぎから新宿で同年代の友人夫婦と会って痛飲。久々に3軒もハシゴしてしまいました(その報いとして晩には二日酔いになり、「そろそろ年齢を考えなさいよ」と昨日は石垣島の若い友人から諭されることになる)。

 

さて、全員50代以上なので、さすがに若い人たちに人気の居酒屋には行きません。どこが人気なのかもよくわからない。

 

友人夫が所用で少し遅れて合流したので、最初は場所がわかりやすくて待ち合わせに便利なビアホールで。黒ビールを飲みながらタコの唐揚げをつまみ、まずは正統派ユダヤ教徒の食べ物の戒律小ネタ(だいぶ想像はいってるけど)で盛り上がります。

 

「旧約聖書に『水の中に住んでる生き物で鱗のないものは食べてはいけない』って書いてあるから、タコとかイカとかエビとかカニとか、美味しいシーフード食べられなくてユダヤ人可哀そうだよねー」

「エビとかカニとかの殻は鱗が進化したものだから、あれは食べてもいいんだよ」

「えー、じゃあ、タコとかイカとかにも実は鱗があるの?」

「いや、それはない」

「なーんだ、やっぱりダメじゃん。タコ美味しいのにねー。それにしてもこれあまりにもちょっとしか入ってないなー。一口換算したら100円だよ。これじゃあタコの原価一匹1万円以上になるわ」

「最近『タコの心身問題』って本読んだんだけどさ、タコってものすごく知能が高いらしい。人間を個体識別するんだって。牛並みだったらシーフードOKの半ベジタリアンは、可哀そうだからってタコ食べるの止めるのかねー?」

「ソロモンではクリスチャンもタコ食べないらしいよ。悪魔の使いだって」

「えー、じゃあ、タコ焼き屋進出できないじゃん!? タコ焼き美味しいのに」(友人妻。広島暮らしが長かった)

 

次は親子問題について。

「エルサレムに行くとさー、レストランの隣に必ずアイスクリーム屋がついてるのよ。動物の親のものと子のものを一緒に食べちゃいけないっていう律法があって、ステーキ食べた後にアイスクリーム食べられないから、一度レストランを出てから経営は同じだけど別棟になってる店で食べるんだってさ」

「あー、それ知ってる。親子丼もだめなんだよねー。親子だから」

「うっそー!? じゃあビーフシチューに生クリーム垂らしちゃだめなの?」

「ダメだと思うよ。チキンスープだったらいいんじゃないの?」

「あー、そうかも。じゃあチーズバーガーはNGで月見バーガーはOKなんだ!」

「イスラエル人が月見バーガー食べるか? そもそも月見の習慣があるのか?」

「そんなことを言うんだったらさー、シャツには四隅に房つけてなくちゃいけないんだから、イスラエルで売ってるTシャツはみんな房つきなわけ?」

「それはないだろー」(全員シンクロ)

 

酔っ払いおじさん&おばさんの小ネタ会話でした(笑)。

 

その後、老舗の天ぷら屋でタラの芽や菜の花など早春の野菜天ぷらを食べつつ、ワインボトル2本を開け、最後に入ったのがここ。

www.tripadvisor.jp

地下にあるのですが、薄暗い階段を下って最初に巨大シャンデリアを見たときには酔いが回って霞んだ頭に衝撃が走りました。2.5F分くらいはあろうかという高い天井にこんな見事なシャンデリア! 最近では五つ星クラスのホテルでもなければとてもお目にかかれません。

 

インテリアやバーテンダーの方々も、パーフェクトな80年代の雰囲気を漂わせています。

 

1982年に大学に入学し、学生時代に飲み会(当時はコンパと言ってた気がします)といえばほとんど新宿だった私にとって、当時の新宿高級店のイメージがそのまま現実になったような場所でした。あの頃、若者向けお洒落系カフェバーもできつつありましたが、まだまだ大人はこういう場所で静かに洋酒を飲むと決まっていたのです。

 

もう消滅してしまったと思っていたものに出会えた感動。

 

レジ横のピンク電話もきゃーっと叫びたくなるくらい懐かしい。10円玉専用のこの電話、80年代前半の飲食店にはどこでもありました。置いてあるということはまだ使えるんですね。物持ちがよいのは素敵なことです。

雰囲気に流されて注文したのはこれ、ブラディーマリー。「トマトジュースベースなのでいくら飲んでも二日酔いにならない」と当時は一部で信じられてました。もちろんウソです。

 

さきほどお財布を整理していてレシートを発見したのですが、友人夫婦が飲んだのはウィスキーのバランタイン・シングル。一杯300円。激安です。食べ物もピザ、レーズンバター、カニミソバターと80年代の新宿の香りがぷんぷんと漂ってくるよう。

 

新宿に行ったこと自体がたいへん久しぶりだったのですが、さすが新宿。こういう店がまだまだ現役で頑張っているのですね。またぜひ再訪したいと思いました。