シンガポールの飲み物が甘くなくなってきている理由
ちょっと前にある会合に出席したときのこと。出されたお弁当にパック入りのアイスティーがついてきました。
これを飲んでみてびっくり。甘くないのです。
というのも、シンガポールはもともと飲酒が禁じられているイスラム教徒のマレー系の人々が多く住んでいた土地柄のため甘党が多く、ちょっと前までは料理でも飲み物でもとにかくべたべたに甘ったるいのがスタンダード。写真のような紅茶でも緑茶でもどっさり砂糖が入っているのが普通で、日本人の私などがホーカーセンター(公営屋台)で飲み物を頼むときにはポッカの「無糖」と書かれたウーロン茶でないと甘すぎて食が進まないという状況でした。
その結果、シンガポールは東南アジアでも有数の肥満、糖尿病大国になってしまったのです。
そこで数年前から政府が始めたのが「ヘルシアー・チョイス(より健康的な選択)」の食品マークを発行して消費者に低糖・低カロリーの食品を推奨すること。写真のお茶にも「40%少糖」という文字の下にこのマークが入っています。
最近娘のお気に入りの炭酸飲料にもこのマーク。
ラベルを見ると1杯250mlあたりのカロリーは70kcalで、コカ・コーラは112.5kcalですから38%カロリーオフの計算になります。まあ、このピンク色を見るとあんまりヘルシーに見えないのが難点ですが…。
綾鷹もヘルシアー・チョイス。
スーパーでこのマークの入った食品を買うと、QRコードが入ったレシートを別にくれます。これをアプリで読みこんでポイントを貯めると景品に交換してくれるそうで、夫がしきりに集めています。
ホーカーセンターのお店でも、最近は「ヘルシアー・チョイス」メニューを置くのが義務づけられている模様で、カロリーが低かったり野菜が増量されていたりするメニューが増えてきました。
シンガポールならではのこの政策、どこまで効果が出るのか楽しみです。