究極の片想い「オペラ座の怪人」
現在、Marina Bay Sandsシアターで上演中のミュージカル「オペラ座の怪人」のチケットを保険会社がプレゼントしてくれたので、夫と観劇に行ってきました。
(私が入っているのは米ドル建ての積み立て型外貨保険で、掛け捨てではありません。相当突っ込んでるのに今回初のご接待で「きっと儲かりすぎちゃったので税金対策なんだろなー」と推測)
ミュージカルなんて5年前にお客さんのご招待で宝塚のベルばらを観て以来。
その前はひょっとしたら高校生の時におばさんに連れていってもらった大竹しのぶ主演の「にんじん」かもしれないと思いだすくらいで、芝居好きのわりにはまったく興味がない私。
いっぽう、以前1度観たことがあるという夫がとても楽しみにしていて、持ってるCDを聴いて予習してたりするので、期末試験中の娘を義母に預けて2人で行ってきました。
感想はというと、
1.オペラ座に住みついた仮面の男が、若くてかわいい女優にひたすら片想いしちゃう話です。彼女の心が自分に向かないとわかったときに、男は彼女を手放すのですが、ここまでいびつな恋心を抱いているのに、最後にあっさり恋敵に渡しちゃえるなんて、と疑問。
特に、彼女にみたてた等身大の人形をもっていたり、かなりマニアックなオペラを書いちゃったり、脅しのために次々と関係者を殺しちゃったりするサイコなだけに、ラストがちょっとあっさりしすぎじゃない? と思うのでした。
小劇場だったら酷評されるストーリー展開。
2.最近のミュージカルってみんなそうなのかもしれないですが、生演奏でした。
幕間にオーケストラボックスを見てみたら、キーボードが2台あった他はバイオリン3台にビオラ、チェロ、コントラバスは各1台とオーケストラというより室内楽。それがオーケストラに聞こえるわけですから、やっぱりアンプの力はすごいです。
面白かったのは指揮者がボックスから頭だけ出していたこと。これをカメラで映して客席後方の白黒スクリーンで流している。で、俳優さんたちがこの指揮に併せて歌うわけです。カメラで撮影するだけだったら頭が出てなくてもいいのに、と感じたのは私だけでしょうか?
3.約2時間半の舞台でしたが、主役の2人はじめとにかく俳優さんたちのエネルギー使用量が半端ないと感じました。演技したり踊ったりするだけでなく歌まで歌う。Pinkみたいにアクロバティックなダンスを披露する歌手だって、コンサート中に芝居まではしませんから、ミュージカルの俳優さんってパーフォーミング・アーツの中ではダントツに過酷な仕事じゃないでしょうか?
しかも公演期間が長い。
このチーム、4月後半にシンガポールでワールドツアーを初めてから、クアラ・ルンプール、テル・アビブ、ドバイと10月末までスケジュールが入っていて、その合間にヨーロッパの都市でも公演する模様。マチネもあるし、体力的にも精神的にもかなりきつい仕事なんじゃないかと思います。
ミュージカル俳優にだけはなりたくないと思いました(なれないけど)。
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私たち夫婦が次にミュージカル観に行くのはいつでしょうか?
「オペラ座の怪人」はもういいですから、数世紀前のミュージカル、オペラ「カルメン」だけは死ぬ前に一度だけでもいいから観てみたいと密かに願う私です。